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 〜サービス業から得る看護のヒント〜
第7回 POP
西井拓也 ⁄ 精神科看護 2006年10月号掲載


POPとはPointofPurchase(ポイント・オブ・パーチャス)の略で,そのメッセージによってお客様のお買物テンションを高めて購入してもらうためのものです。
気軽に作ることができますが,POPひとつでサービスの質が全然違ってくるのです。

たとえば,薄いナイ口ン製で,シンプルなデザインのブルゾンがあったとします。
ありふれた商品なので,価格・色・サイズくらいしか,書くことがありません。

そこで知恵を絞り,こんなPOPを書いてみました。
『小さくコンパクトにまとまるので,お買い物力バンや車のトランクに!』
これは「急な雨にも困らない」という意味がこめられているのですが,あえて「雨」という単語は書かないで,雨のイラストをそえてみました。

POPは,お客様を前後に揺さぶることができるかどうかなのです。
まず「車のトランクに?」とPOPをのぞき込んでもらいます。
「ん?」となると人は,前に引き寄せられます。
そして「ああ,そうか雨用か!」と納得してもらうときに,リラックスして後ろに戻るのです。

その間のお客様の脳裏には,突然の雨で困った記憶がよみがえり
「ひとつ買っておくか」と購入につながるのです。

「雨」と書かないのは,購入までのプ口セスをお客様自身に考えてもらうことで「売りつけられた」とは感じずに,後味のいいお買い物をしていただくためです。

商品につけるPOPは,低価格なものほどていねいに書きます。
特徴のない商品ほど,知恵を使わないといけないのです。

高価なものは,特徴がたくさんあるので,POPに困らないのです。
ヒット商品は,黙っていても売れます。値札だけつけていても売れるのです。

大切なのは,安い商品をどうやって演出するかです。
100円のソックスは安物です。「ソックス100円」では売れません。

それはお店が「安物だから」と粗末に扱ってしまっているからです。
店が粗末に扱う商品(もの)を,お客様が買ってくださるわけがありません。

お店や商品に愛情をもつことが,サービスのスタートです。
たとえば「会社の口ッカーに!ストック用ソックス100円」と書けば安物とは思いません。
使い捨てにしてもいいソックスは,100円でもよいのです。

こういう提案ができるかどうかがPOPに必要なサービス精神なのです。
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